現状を好機と捉えるだろうか?

「以前よりは土地の仕入れ値が安くなったこと、極限までコストカットを進めたことなどにより、お客様のニーズによりマッチした価格設定が可能になったということ。建築審査がこれだけ厳しくなったのに、手抜き工事などできるはずがない。本来、これだけのクオリティの家をこんな低価格で売らなければならないことのほうが、異常事態だ」(中堅メーカー)

 これでは、延々と「お見合い状態」が続くばかりだ。この不況、今後はいったいどうなるのか?

「土地の仕入れさえままならない業者が増えているため、直近では新築物件の数が目に見えて減り始めた」と語るのは、中堅仲介業者。そのため、「このまま新築の数が減れば、需給がタイト化して、物件価格が下げ止まるのではないか」と期待をかける業者も少なくないという。

顧客重視を徹底しないと
投げ売り競争は終わらない?
 とはいえ、流れがそれほど簡単に変わるか否かは微妙である。

  「今後も物件の供給数が減り続けるようなら、一気に営業攻勢をかける」と鼻息が荒いのは、関東を中心に低価格の規格住宅を大量供給する大手パワービルダーだ。

 図体の大きさにモノを言わせる彼らの強みは、大量かつ割安な仕入れルートを握っていること、賃金が安い外国人労働者を抱える工務店との人脈、規格住宅を大量生産するノウハウなどだ。中小に比べてコスト戦略はかなり徹底しており、仮に今以上に不況になっても、お手ごろ価格の家を売り続けられる体力が残っている。そうなれば、投げ売り競争はさらに続く可能性もある。

 出口が見えない不安が続くなか、地元密着型で堅実な仕事に定評がある小規模メーカーの関係者は、こうつぶやく。

「今後は、設計段階のコスト計算からお客様に同席していただき、心から納得した上で買っていただけるよう、顧客重視の姿勢をさらに徹底しないと生き残れないのではないか・・・」

 誰の責任とも言えないこの不動産不況、考えようによっては、物件に関わる業者とお客との「信頼関係」を改めて問い直す機会になるかもしれない。今まさに「一国一城の主」を夢見ているあなたは、このような現状を好機と捉えるだろうか? それとも、まだしばらく様子見を続けるだろうか?

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